こどもたちの「けんか」

 「子どもの喧嘩は止めずに見とけ」って言うけれど、見てるだけでは僕がつまらないので、とりあえず「どしたの?」と聞く。たいてい「ふんふん」と頷くだけだが、いずれ言葉のぶつけ合いからそれぞれの怒りの告発に変わるので、そこでそれぞれの言い分を聞き、気になったことは聞き返す。大切なのは、どっちが良いとか悪いとかジャッジしないこと。子どもは大人が「判決」を下してくれると思っているが、その期待には一切応えない。そのうち怒りの原動力が絶えて諦めるか、怒りの矛先をぼくに向け始めるのでそのあたりで退散する。とりあえずそんな感じで良いと思っている。

この記事を書いた人

幸田良佑

2003年、山梨県生まれ。2021年、自由学園男子部高等科卒業。同年、東洋大学社会学部第二部社会学科入学と同時にニュースを専門とする番組制作会社に入社するが、1ヶ月を経たずして退職。以降、児童館、放課後児童クラブ、学童保育所、大学図書館勤務を経て特定非営利活動法人TENOHASIに入職。2022年より特定非営利活動法人わかちあい練馬 事務局長・理事に就任。