本調査実施にあたり、広く市民の皆様、自治体議員の皆様に多大なるご協力をいただきました。感謝いたします。
本調査が今生活に困窮している方、住まいを失っている方など生活に不安を抱える人々に、そして各地でこの年末年始支援を展開する民間支援団体の皆様に役立てていただけることを願っています。
幸田良佑
特定非営利活動法人TENOHASI 法人事務局
特定非営利活動法人わかちあい練馬 事務局長
調査概要
期間
2024年12月22日から27日
対象
福祉事務所、自立相談支援機関を設置する都内全市区町村
方法
自治体議員、市民の協力のもとにインターネットを通じて収集した。
回収状況
有効回収数: 42票
調査項目
- 自治体名
- 臨時対応の有無
- 臨時対応の内容
- 宿泊支援の有無
- 宿泊支援の方法
- 生活保護の申請・受理体制の有無
- 生活保護の申請・受理の方法
- 自立支援センター・一時生活支援事業の申込受付体制の有無
- 自立支援センター・一時生活支援事業の申込受付の方法
- その他(自由記述)
- 情報提供者名
- 情報提供者の所属
- 情報提供者の連絡先(メールアドレス)
調査結果
何らかの臨時対応を行うと回答したのは21自治体、行わないとした自治体は10自治体、居所喪失状態にある来庁者に対して宿泊支援を行うとした自治体は21自治体、行わないとした自治体は14自治体、生活保護の申請を可能とした自治体は13自治体、不可能とした自治体は22自治体、自立支援センター(一時生活支援事業)の入所が可能とした自治体は6自治体、不可能とした自治体は11自治体でした。
ダイジェスト
回答を得られなかった自治体 | 江東区、品川区、大田区、渋谷区、昭島市、小金井市、小平市、国分寺市、福生市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、羽村市、あきる野市、西多摩郡管内(瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町)、大島支庁管内(大島町、利島村、新島村及び神津島村)、三宅支庁管内(三宅村及び御蔵島村)、八丈支庁管内(八丈町及び青ヶ島村)、小笠原支庁(小笠原村) |
臨時対応を行うとした自治体 | 千代田区、中央区、新宿区、文京区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、足立区、江戸川区、杉並区、世田谷区、目黒区、八王子市、三鷹市、町田市、日野市、狛江市、東村山市、東大和市、国立市 |
臨時対応を行わないとした自治体 | 港区、墨田区、中野区、荒川区、葛飾区、立川市、武蔵野市、青梅市、清瀬市、西東京市 |
宿泊支援を行うとした自治体 | 千代田区、中央区、新宿区、文京区、豊島区、北区、杉並区、板橋区、練馬区、足立区、世田谷区、目黒区、江戸川区、八王子市、三鷹市、町田市、日野市、東村山市、狛江市、東大和市、国立市 |
宿泊支援を行わないとした自治体 | 港区、台東区、墨田区、中野区、荒川区、葛飾区、立川市、調布市、武蔵野市、青梅市、府中市、清瀬市、稲城市、西東京市 |
生活保護の申請が可能とした自治体 | 千代田区、中央区、杉並区、豊島区、練馬区、目黒区、足立区、八王子市、三鷹市、調布市、東村山市、狛江市、国立市 |
生活保護の申請が不可能とした自治体 | 港区、新宿区、文京区、墨田区、世田谷区、中野区、荒川区、板橋区、葛飾区、立川市、日野市、江戸川区、武蔵野市、青梅市、府中市、清瀬市、稲城市、東大和市、西東京市、町田市、北区 |
不明 | 台東区 |
自立支援センター・一時生活支援事業の申し込みが可能とした自治体 | 中央区、世田谷区、豊島区、板橋区、練馬区、江戸川区 |
自立支援センター・一時生活支援事業の申し込みが不可能とした自治体 | 千代田区、港区、新宿区、文京区、墨田区、目黒区、中野区、北区、荒川区、足立区、葛飾区 |
その他
- 池袋や立川など支援団体が活動している場所までの交通費支給(清瀬市)
- 東京チャレンジネットに行く際の交通費として都営地下鉄等の回数券の支給(北区)
詳細
自治体 | ①臨時対応 | 詳細 | ②宿泊支援 | 詳細 | ③生活保護の申請 | 詳細 | ④自立支援センター・一時生活支援事業の利用申込み | 詳細 | その他の対応 | 備考 |
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国立市 | あり | 1月4日のみ職員が待機 | あり | ネットカフェ | 可能 | – | – | – | ||
杉並区 | あり | 代表番号(03-3312-2111)にて伝言を残すことにより、担当者から折り返し連絡がなされる。 12月28日から1月5日まで、職員が複数が組み困りごと相談を受け付けることになっている。 開所はしないものの、12月30日までは高円寺福祉事務所と高井戸福祉事務所に職員を配置 | あり | 自立支援センターのほか、NPOセキュリティライフ(大晦日と元日は受け入れ不可)、NPOエスポート(9日間受け入れ可)の施設に。 新年は通常通りに戻り新規受付する。 | 可能 | 待機中の福祉事務所職員が、生保申請事項を聞き取る 申請、受理の事務手続き自体は12/28-1/5までできないものの、閉庁中の職員対応の中で申請の意思を示せば、開庁後の申請手続きにおいては意思を示した日の申請として扱われる。 | 不可 | 区内無料低額宿泊所は2ヶ所。 入所が決まれば待ち合わせて迎えに来る。 | 生活保護の申請を「可能」とする回答と「不可能」する回答があった。 | |
台東区 | あり | 休日・夜間受付が「東京チャレンジネット」を紹介 | なし | – | 不可 | 不可 | ||||
八王子市 | あり | 当番の職員が待機 | あり | ネットカフェ等 | 可能 | 受理のみ | – | – | – | |
千代田区 | あり | なし | – | 可能 | 夜間受付で受け付ける。正式には1月6日の受理となる | 不可 | – | 夜間受付で、お米、クッキー、水など配布する | ||
町田市 | あり | 当番職員1名が出勤 | なし | – | 不可 | – | 不可 | – | 緊急的な貸付 | |
豊島区 | あり | 宿直が電話を受け、関係所管(当番制)に連絡し対応する | あり | ケースによって対応する | 可能 | ケースによって対応する | 可能 | ケースによって対応する | ||
北区 | あり | – | – | – | – | – | – | – | 12月30日に東京チャレンジネットに行く際の交通費として都営地下鉄等の回数券を渡す | |
板橋区 | あり | 緊急連絡網(係長以上)があり、守衛室から連絡あれば対応できるようにしている。 | なし | 不可 | – | 可能 | – | |||
狛江市 | あり | 宿直室で受け付け、担当課長と連絡を取り対応する | あり | 東京チャレンジネット・ネットカフェの案内 | 可能 | 緊急の場合は受け付けるが、基本的には開所後 | – | – | 宿直室で緊急時の受付を行う他、フードバンク狛江の食料を常備しており、必要に応じて配布 | |
世田谷区 | あり | 本庁舎東棟B1Fの防災センターが受付。各総合支所保健福祉センター生活支援課へ連絡が入る体制になっている。 この年末年始も当該体制は取られる予定 | あり | 自立支援センター(大田寮)や無料低額宿泊所などと入所調整を行う | 不可 | 生活保護の申請希望がある場合は、申請書のやり取りや生活保護の調査・決定は1/6の開庁後速やかに対応する。 生活保護開始日についても、状況に応じ休業期間中に遡る対応も可能 | 可能 | 自立支援センター太田寮に入所調整 | 乾パンやおかゆのお渡しも出来るよう防災センターに依頼済 | |
墨田区 | なし | – | – | – | – | – | – | – | – | |
武蔵野市 | あり | 12/28〜1/5の閉庁期間は宿直対応。 1/6以降再来所または、市から連絡 | なし | – | 不可 | – | 不可 | – | – | |
練馬区 | あり | 区役所警備室から当番職員が連絡を受ける体制を確保する | あり | 当番職員が、区役所警備室からの連絡により、職員間協議を行い対応する | 可能 | 臨時窓口の開所はないが、FAXによる申請があれば連休明けに必要な調査を行い、生活保護を開始する場合はFAX受領日を保護開始日として決定する | 可能 | 当番職員が、区役所警備室からの連絡により、職員間協議を行い対応する | 区役所警備員が、食料(クラッカー)を支給する | |
文京区 | あり | 区役所の代表番号に電話すると、生活福祉課の係長から折り返し電話が来て、相談ができるが、申請はできない | なし | – | 不可 | 閉庁中は電話で生活福祉課の係長が相談を受けて、申請は休み明けを案内する | 不可 | 閉庁中は相談できるが、申請は休み明けを案内する | 区役所の夜間休日受付のところで非常食の準備をしている | |
東大和市 | あり | 市役所で受けた電話に当番職員が折り返し連絡する | あり | 緊急性が高いと判断されれば必要に応じて宿泊先を探すなど対応 | 不可 | 申請の対応は休み明けに行う | – | – | – | |
荒川区 | なし | – | – | – | – | – | – | – | – | |
三鷹市 | あり | 市役所の夜間窓口から、自宅待機している当番係長に電話連絡 | あり | 無料低額宿泊所を運営している団体の電話相談窓口を紹介 | 可能 | 電話で聞き取りをした後、市役所開庁後に来所いただき、遡って申請を受理する | – | – | – | |
葛飾区 | なし | – | なし | - | 不可 | – | 不可 | – | – | |
府中市 | あり | 警備室から職員に連絡する | なし | ケースに応じて対応 | 不可 | ケースに応じて対応 | – | – | – | |
中央区 | あり | 区役所に来庁された方に守衛さんを通して、職員に連絡をする、食料を提供するなどの支援を行っている | あり | 区施設や東京都施設の案内 | 可能 | 区役所の来庁された方を対象に守衛さんを窓口として、面談記録表を記入してもらい、申請・受理を行っている | 可能 | 区役所を来庁された方に守衛さんを通して、担当職員に連絡し、担当職員から自立支援センター具体的には「千代田寮」に連絡する体制が整っている | ||
立川市 | なし | – | なし | – | 不可 | – | – | – | 庁舎内の中央管理室に、カンパン、ビスコ、えいようかんなど2.30人分備えてある。連絡が来たら提供する | |
清瀬市 | なし | – | – | – | – | – | – | – | 池袋や立川など支援団体が活動している場所までの交通費支給 | |
目黒区 | あり | 土曜日は4箇所ある包括支援センター開所 それ以外は総合庁舎の受付を通して福祉課の係長に電話連絡 | あり | 東京チャレンジネットを案内。 SSSという低額宿泊施設を案内 | 可能 | 生活福祉課が対応。ケースバイケースなので、まず相談を受ける | 不可 | – | – | |
港区 | なし | – | なし | – | 不可 | – | 不可 | – | – | |
新宿区 | あり | 宿直当番の待機 | あり | 東京チャレンジネット(開所時)と、一次宿泊所を準備 | 可能 | 書面で申請と受理を行い、審査は6日以降となります | 不可 | 抽選枠を用意していたが既にいっぱい。相談は受け付けます | 食事の支援、乾パン1日1個までを提供/宿泊所では食事提供があります | |
足立区 | あり | 30日、4日に臨時開所 | あり | 自立支援センタ等 | 可能 | (詳細不明) | 不可 | – | – | |
中野区 | なし | – | なし | – | 不可 | 申請書の交付のみ | 不可 | – | – | |
江戸川区 | あり | 守衛室からの連絡をいつでも取れるようにしている。輪番体制等の連絡網あり | あり | 自立支援センター江戸川寮を案内 | 不可 | – | 可能 | 担当係長が判断する | 守衛室に、12月30日(月)10時-17時開設の東京都のチャレンジネット | |
調布市 | あり | 警備員が直接、管理職に連絡する。 生活福祉課の管理職2人が緊急連絡用の携帯を所持。市役所に相談者が来たら繋いでもらう | あり | 無料低額宿泊所に案内 | 可能 | 警備員が直接、管理職に連絡する。管理職が対応 | – | – | – | |
稲城市 | あり | 状況によって生活福祉課長に電話がつなかり、相談を受ける | なし | 市独自の取り組みはないが必要な場合には東京都事業に繋ぐ | 不可 | – | 不可 | – | 市役所の受付に相談にいらした方にI日500円の貸付け(社協事業)を行う | |
青梅市 | なし | – | なし | – | 不可 | – | 不可 | – | – | |
西東京市 | なし | – | なし | – | 不可 | – | 不可 | – | – | |
日野市 | あり | 当直経由で該当する担当者に連絡 | あり | 無料低額宿泊所の提供など | 不可 | – | 不可 | – | 食料などの緊急対応 | |
東村山市 | あり | 生活福祉課、自立支援課両所管が、年末年始は職員がシフトを組み生活困窮者などの相談対応に当たることは,例年通り行う | あり | 無料定額宿泊所等が空きがあれば紹介する。地域包括支援センターなどとも連携し対応する | 可能 | 年明けの対応になる | – | – | 災害用非常食を一時的な食糧として準備し渡す手筈となっている |