生徒観があまりに雑だな、というのが最初の感想。ステレオタイプな若者像を前提に生徒を捉えているように見える。そしてあらゆる意思決定において生徒が不在であることが際立っている。当事者である生徒、そして保護者、周縁に立つ教師たち(特に改革を機に定年前であるのにも関わらず退職する教師たち)はこの対談記事をどう読むのだろうか。そしてカリキュラム改訂などの一連の学校改革の根拠を、生徒の意識や文化に置くことは醜悪だなと思う。良きことと称賛され歓迎されてきたものが、改革を機に問題視されるようになる。生徒がそれに戸惑いや怒りを持つことは容易に想像できることで、それを「生徒たちは、『自分たちの活動を奪われた』と感じ、傷ついてしまったんですよね」と今更振り返るのはこれまで何を見てきたのだというツッコミは回避できないものと思う。